7 (SEVEN) 西岡剛 OFFICIAL BOOK

7 (SEVEN) 西岡剛 OFFICIAL BOOK

  • 作者: 橋本清
  • 出版社/メーカー: 三修社
  • 発売日: 2008/08/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 ・なんで橋本清さん?

・素顔のTSUYOSHI撮りおろし

・たかだか6年前とは思えない“昔”感

 

どんだけ西岡選手好きなんだって話ですけども、ほんと好きですね、我ながら。あんまり西岡西岡言っているせいか、お友達がこの本をくれました。藤浪選手の『情熱大陸』で、実家の本棚に置いてあるのが一部で話題になっていて、気になっていたのでたいへんありがたかったです(しかし何度読んでもフモフモ先生のこのエントリはおもしろくて素晴らしい)。

とにかくまず思うのは、なんで構成が元巨人・橋本清さんなのかな?というところです。最近は日サロおじさんとして『有吉反省会』などメディア出演を重ねられていますけども、解説者のほかにスポーツライターとしての活動もされているようなので、そのお仕事の一環なんでしょう。しかし『全力疾走』ほど西岡選手本人の内心の葛藤が吐露されるわけでもなく、プロ野球OBならではの分析が展開されるわけでもなく(むろん無いわけではないですが)、さほど良い効果を生んでいるようには思えませんでした。ただおもしろかったのは、橋本さんが「清原和博さんと西岡に共通する何かを感じた」と書いていたところです。橋本さんはPL学園で清原和博さんと寮の同室だった人物であり、KKコンビと共に野球をやった人。一方、西岡選手はPL学園に憧れ、しかし入学の夢はかなわず、「打倒PL」を胸に大阪桐蔭高校に入った人です。その「打倒PL」を1年生の秋季大会で成し遂げた西岡選手の涙と、巨人入りを熱望しながら盟友・桑田選手と巨人に裏切られ西武ライオンズに入団した清原さんの日本シリーズで巨人に打ち勝って優勝を決めた涙とを重ねて、

どう表現していいのかわからないが、ふたりに共通する何かを感じたのである。

と書いていらっしゃいます。仮にもライターを名乗るなら「どう表現していいのかわからない」ものをどうにか表現するのが仕事でしょうよ、とも思うものの、 この見立ては少し気になりました。橋本さんはこの本の中で再三「チャラ男に見えながらその実親孝行であり、強い意志を持った若者」として西岡選手のことを描きます。清原さんといえば最近ゴニョゴニョなことを報じられ、SAY YESされたあの人との接点などをもって橋本さんの顔の色くらいクロだろうと週刊誌などでは書きたてられておりますが、彼もまた「誤解されやすい人物」としてその素顔が語られることも多い(例の件に関しても誤解であってほしいものですが)。選手としてのタイプはまったく異なりますし、性格も全然違うとは思いますが、やはり華のある選手というのは根っこの部分で共通する精神性を持っているものなのかな、と思わされました。

さておきこの本で一番の見所はやっぱり、西岡選手の撮りおろし写真がけっこうな頻度で挟まれる点でしょう。幼少期〜高校の写真をカラーにするなら撮りおろし私服カットのほうをカラーにするべきだったんじゃないかという気もしますが(折の都合でしょうけども)、物や風景にピントを合わせて人物の顔をぼかす撮り方などに、どことなく時代を感じます。巻頭から、MacBookを操るTSUYOSHI、街路に佇むTSUYOSHI、愛車(?)を運転するTSUYOSHI……と続いて、最後にサロンで髪をセットしてもらうTSUYOSHI。ちなみにお店はACQUA。懐かしのカリスマ美容師ブーム先導役ですね。やはりカリスマはカリスマを好むということでしょうか。個人的には、巻頭カラー見開きで掲載されているハンドルを握るTSUYOSHIのカットが好きでした。意志の強さを感じさせる鋭い眼差し、引き結んだ唇、バストアップでもわかる鍛えあげられた肩と胸筋、きらめくハンドルにかけられた片手、窓から入る陽光に輝く薄い腕毛、はねる襟足……すげぇ格好つけてんな、と思わされるところも含めて、23歳のTSUYOSHIを最大限に写し取った、美しい1枚だと思います。

本書刊行は08年ですから、今から6年前。西岡選手は千葉ロッテマリーンズの若き主力として活躍していた時期です。この後の6年で西岡選手はロッテのキャプテンに就任し、外野応援団と戦い、メジャーに挑戦し、思うような結果を出せずに日本球界に戻り阪神タイガースに入団と、順風満帆とはいえない時も含まれています。6年といえば僕のような一般人にとっては長いようで短い時間であり、6年前と今の自分を比べてもそんなに大きく変わった点はないというような微妙な長さの年月でありますが、その顔付きも含め、この本の中にいる西岡選手は随分と昔の西岡選手であるなぁと感じます。苦難が人を成長させるとは手垢のついた言い回しですが、歳月の重みに思いを馳せさせられました。西岡選手の無事の戦線復帰を心待ちにしております。